シリーズ|インターン生が考える、イノベーションを起こす方法②


前回の記事「インターン生が考える、イノベーションを生み出す方法①」では、私が考える方法をふたつ紹介しました。(📌まだチェックされていない方はコチラ👉https://mcrossintl.blogspot.com/2020/05/blog-post_30.html) 


しかし、世間にインパクトを与える数々のイノベーションを過去に起こしてきた日本ですが、実は現在、海外から「イノベーション後進国」と呼ばれています。確かに、GAFA(G: Google, A: Amazon, F: Facebook, A: Apple)が世界のIT業界を牽引するアメリカや、経済成長が著しく、その資金力や労働力、また国内マーケットの巨大さを武器とする中国などと比べれば、最近の日本は見劣りするかもしれません。

では、近年になって日本がイノベーションを起こせない理由は一体何なのでしょうか?今回の記事では、私の考える理由を3つご紹介します。



第1に、日本の教育制度に問題があると思います。 

日本では、幼少期からみんなと同じように行動するように指導されます。また、伝統的で無意味なルールに対して、何も疑問を持たないように、そして反発しないように教育されます。それに比べ、海外では個性的で人と違うことに対して、日本ほど排他的ではありません。

例えば、フィンランドの学校では、服装や髪型などは自由とされています。学校は勉強をする場所であるため、授業にさえ集中すれば、自分自身を外見で表現することに対して学校から規制されることはありません。また、小学校の段階でディベートの授業が導入され、自主的に物事を考えられるように教育されます。


みんな同じように考えてしまっては、新しい何かを生み出すことに結び付きません。イノベーションはどのような形であれ、何かに対して疑問を持ち、既成概念に反旗を翻すことから始まります。よりクリティカルかつ懐疑的に物事を考えることができるようになり、また、新しい何かを始める人に対して非難したり排他的に接したりすることがなくなれば、日本は再びイノベーション大国になれると思います。そのためにはまず、教育制度の変革が必要でしょう。

第2の理由として、日本の年功序列制度に問題があると思います。

最近は、外資系企業を模範としている日系企業も見受けられますが、未だに年功序列の風潮が強い会社のほうがマジョリティーです。もちろん、年功序列制度には給与面や役職面で、メリットも数多くあります。しかしながら、イノベーションを起こす観点からいうと、成果主義のほうがメリットが大きいと言えます。

年功序列制度だと、年長者であり経験値も勝る上司に対し、部下は反論したり、意見を発しにくい状況が生まれます。これにより、部下には、自分が会社や社会の一員であるという当事者意識が生まれにくくなります。そして、上司は部下の意見を聞かないことで、客観的に物事を見るのが難しくなります。

これに対し、成果主義だと、上下関係や年齢の差に関係なく、自分の思ったことを口に出しやすい社風が生まれます。また、ひとりひとりが当事者意識を持って仕事に臨みやすくなります。この風通しのよく、全員が会社の物事を自分のことのように深く考えることが、イノベーションに欠かせません。

したがって、年功序列制度の生み出す、社員の当事者意識の欠如、そして上司の広い視野の欠如が、日本をイノベーションから遠ざけている一因であると思います。

最後に第3の理由として、日本におけるダイバーシティの乏しさに問題があると思います。

私はアメリカで約1年間、留学・インターンを経験しました。その際に気が付いた日本とアメリカの最も大きな違いがこれです。アメリカはさすが「人種のるつぼ」と呼ばれるだけあって、人種をはじめ宗教やセクシュアリティ、文化などのダイバーシティに満ちています。また、交友関係も老若男女問わないことが特徴的です。個人的な体験ですが、私はカリフォルニアでの留学中、アナハイムのディズニーランドに足しげく通っていました。当時、偶然ディズニーの話で意気投合し、仲良くなった人々は大勢いますが、その中で最も仲の良い友人は、両親より年上のおじいちゃんおばあちゃん夫婦です。

恐らく、これは日本ではあまり考えられないことではないでしょうか?いくらグローバル化が進んだと言えど、日本は小さな島国で、前述したとおり未だ排他的な風潮があるため、他国ほどダイバーシティに恵まれていません。また、仕事上の関係のみならず、プライベートな交友関係においても、自分と年齢や業界が全く異なる他者とでも関わる傾向があまりないように感じます。

自分とは異なる価値観やバックグラウンドを持つ人々と普段から接することによって、新たな視点で物事を考えられるようになります。イノベーションに必要なのは、そのような他者との関わりによって、些細な違いに気が付くことができる、広い視野を養うことなのだと思います。

以上3点を、私の考える日本がイノベーションを起こせない理由として挙げました。グローバル化が進み、競争がより複雑化そして激化した現在、各国にとって生き残るためにイノベーションは必要不可欠だと言えると思います。しかし、その前にまずイノベーションが必要なのは、日本自体なのかもしれません。


執筆者:瀧本怜佳

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