アメリカ ロサンゼルスのラーメン屋レポート第二弾です。
前回のブログ(アメリカ人とラーメン)では、カフェのような店内で提供される、アメリカ人も満足のボリューミーなラーメンとチャーハンを紹介しました。
しかし!今回のお店では前回とはまた違う新たな発見がありました。
連れて行っていただいたのは、「Eboshi Ramen Bar」(Google Map)というお店です。
まずは店内の様子ですが、前回のお店とは対照的でした。
店員さん同士の会話やオーダーを通す声で活気のある店内。
ラーメンを作る厨房の目の前にはおひとり様用のカウンター席をしっかりと完備。
その他にも、壁には日本らしいタッチで描かれた海のイラスト、棚には大量の日本酒のボトル。といった感じで、ここは日本のラーメン屋である!ということが全面にアピールされています。日本人なら、なんだか懐かしい気持ちになってしまうようなそんな雰囲気の店内です。
お客さんにも注目してみましたが、日本人の方や、一人で来店している男性の方が前回に比べて多かったように思います。
二つの店舗を比較することで、店のコンセプトやターゲット層の設定は、店内の様子や来店するお客さんにこれだけ影響するのだ、ということを実感しました。
日本人の私が違和感を感じない店内だ、ということはアメリカ人にとっては少し違和感があり、日本人にとっては居心地よく感じる、ということなのだと思います。
そして、ラーメンをオーダーします。
メニューの表紙には、かなりバリエーション豊かなラーメンメニューが記載されていましたが、初めていくお店では、まずは定番メニューをということで、私はその中から醤油ラーメンを探しました。しかし、醤油ラーメンがメニューにありません。
「この店は、変わり種ラーメンだけのお店なのか…?」と思いつつメニューをめくってみると、二ページ目に醤油ラーメンを発見しました!
しかし、明らかに他のラーメンメニューと扱いが違います。表紙ではなく二ページ目に書いてある点や、おすすめマークがついていない点から、「特におすすめはしないけど、一応これもありますよ」というような雰囲気が漂っていました。
そして、お待ちかねの醤油ラーメンがこちら。
あまりおすすめされていない様子だったので、どんなラーメンなのかと逆にわくわくしていましたが、いたって普通ですよね?麺とスープに卵、海苔、メンマ、チャーシュー、ネギ。パーフェクトです、何も問題点が見当たりません。そして美味しい。
でも、忘れてはいけないことが一つ。
私の感覚は日本人の感覚であるということです。私にとって違和感がないということは、アメリカ人にとっては違和感があるということかもしれない。
さて、もう一度この醤油ラーメンについて考えてみましょう。
前回のラーメン屋さんで感じたボリュームの大切さについて考えてみると、このラーメンは少しもの足りないような気がしてきます。このチャーシューでは、アメリカ人の食欲は満たされないかもしれない。見た目にも、もう少し特別感があると魅力的だと思います。
そう考えると、なぜ王道の醤油ラーメンが二ページ目に記載されていたのか分かったような気がしました。ラーメンを日本人の感覚でそのまま作ると、ボリューム感やスペシャル感に欠け、アメリカ人の期待値に応えられないのだと思います。言うならばサイドメニューのスープのような存在になってしまうのかも。だからこの店では、アメリカ人も満足の変わり種メニューを一ページ目でアピールし、普通のラーメンメニューを二ページ目に用意しているのではないでしょうか。
二つの店舗での経験から、店内の雰囲気づくりとアメリカ人を満足させるラーメンについて考えてみました。
日本のラーメンがいくらおいしいからといって、そのままの状態で外国人に提供しては、魅力が半減してしまいます。
今まで、日本のものを海外に出すには、とにかくそれ自体の良さを伝えればいいと思っていましたが、相手の文化や価値観の物差しを理解したうえで工夫をする必要があると分かりました。
今後もラーメン屋を訪れる機会があれば、ただのラーメンブログにならないように、日米の違いについて考えて、文章にしてみたいと思います。
2019/06/25 原唯奈
前回のブログ(アメリカ人とラーメン)では、カフェのような店内で提供される、アメリカ人も満足のボリューミーなラーメンとチャーハンを紹介しました。
しかし!今回のお店では前回とはまた違う新たな発見がありました。
連れて行っていただいたのは、「Eboshi Ramen Bar」(Google Map)というお店です。
まずは店内の様子ですが、前回のお店とは対照的でした。
店員さん同士の会話やオーダーを通す声で活気のある店内。
ラーメンを作る厨房の目の前にはおひとり様用のカウンター席をしっかりと完備。
その他にも、壁には日本らしいタッチで描かれた海のイラスト、棚には大量の日本酒のボトル。といった感じで、ここは日本のラーメン屋である!ということが全面にアピールされています。日本人なら、なんだか懐かしい気持ちになってしまうようなそんな雰囲気の店内です。
お客さんにも注目してみましたが、日本人の方や、一人で来店している男性の方が前回に比べて多かったように思います。
二つの店舗を比較することで、店のコンセプトやターゲット層の設定は、店内の様子や来店するお客さんにこれだけ影響するのだ、ということを実感しました。
日本人の私が違和感を感じない店内だ、ということはアメリカ人にとっては少し違和感があり、日本人にとっては居心地よく感じる、ということなのだと思います。
そして、ラーメンをオーダーします。
メニューの表紙には、かなりバリエーション豊かなラーメンメニューが記載されていましたが、初めていくお店では、まずは定番メニューをということで、私はその中から醤油ラーメンを探しました。しかし、醤油ラーメンがメニューにありません。
「この店は、変わり種ラーメンだけのお店なのか…?」と思いつつメニューをめくってみると、二ページ目に醤油ラーメンを発見しました!
しかし、明らかに他のラーメンメニューと扱いが違います。表紙ではなく二ページ目に書いてある点や、おすすめマークがついていない点から、「特におすすめはしないけど、一応これもありますよ」というような雰囲気が漂っていました。
そして、お待ちかねの醤油ラーメンがこちら。
あまりおすすめされていない様子だったので、どんなラーメンなのかと逆にわくわくしていましたが、いたって普通ですよね?麺とスープに卵、海苔、メンマ、チャーシュー、ネギ。パーフェクトです、何も問題点が見当たりません。そして美味しい。
でも、忘れてはいけないことが一つ。
私の感覚は日本人の感覚であるということです。私にとって違和感がないということは、アメリカ人にとっては違和感があるということかもしれない。
さて、もう一度この醤油ラーメンについて考えてみましょう。
前回のラーメン屋さんで感じたボリュームの大切さについて考えてみると、このラーメンは少しもの足りないような気がしてきます。このチャーシューでは、アメリカ人の食欲は満たされないかもしれない。見た目にも、もう少し特別感があると魅力的だと思います。
そう考えると、なぜ王道の醤油ラーメンが二ページ目に記載されていたのか分かったような気がしました。ラーメンを日本人の感覚でそのまま作ると、ボリューム感やスペシャル感に欠け、アメリカ人の期待値に応えられないのだと思います。言うならばサイドメニューのスープのような存在になってしまうのかも。だからこの店では、アメリカ人も満足の変わり種メニューを一ページ目でアピールし、普通のラーメンメニューを二ページ目に用意しているのではないでしょうか。
二つの店舗での経験から、店内の雰囲気づくりとアメリカ人を満足させるラーメンについて考えてみました。
日本のラーメンがいくらおいしいからといって、そのままの状態で外国人に提供しては、魅力が半減してしまいます。
今まで、日本のものを海外に出すには、とにかくそれ自体の良さを伝えればいいと思っていましたが、相手の文化や価値観の物差しを理解したうえで工夫をする必要があると分かりました。
今後もラーメン屋を訪れる機会があれば、ただのラーメンブログにならないように、日米の違いについて考えて、文章にしてみたいと思います。
2019/06/25 原唯奈
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