アメリカ ペット小売大手PETSMARTの現地レポート②

 前回に続き、アメリカ 大手ペット用品店 PETSMARTに関するご紹介として、今回は店内で行われている保護犬猫の養子縁組(Adoption Center)について書きます。





 アメリカの多くの場所では、犬や猫の生体販売が禁止されており、ここカリフォルニアでは州法として施行されています。そのため、このAdoption Centerにいるのは、地元のアニマルシェルターや動物愛護団体から来た動物のみです。私が訪れた際に2匹の猫がのびのびと過ごしていました。それぞれの分けられた部屋も清潔に保たれており、穴を通じて移動ができるようになったりしていて、ストレスがかからないように工夫されていました。




 猫1匹ずつに、カードが用意されており、里親になろうとする方への情報提供が行われています。動物の名前、お店に来た日、推定年齢、種類、ワクチン接種日等が記載されています。また、これらに加えて、自己紹介風に書かれた性格に関する説明もあり、実際に飼った時のことをイメージしやすくなっています。なお、カードに”Adoption fee $125”と書かれていますが、これは利益と得るためではなく、ワクチン接種や避妊/去勢手術等にかかった費用を里親になる方から頂いているものです。





 養子縁組の前には、里親として適切か事前に確認するための質問票が用意されています。事前チェックでは、特に動物虐待の恐れが懸念されています。質問票の内容はとても細かく、職業や家族構成、飼育希望理由等から、想定される飼育環境や引越し発生時の対応、過去の飼育歴まで回答が求められます。なお、愛護団体からペットを迎え入れる場合に、自宅まで担当者が来てチェックを行うケースもあるようです。全ての内容を予め考えられている人は決して多くないかもしれませんが、質問票を記入する際に、改めて本当に迎え入れて幸せにしてあげられるのか考えて、決意するきっかけになると思いました。





 PETSMARTでは、養子縁組の活動以外にも、PETSMART Charitiesという名前で寄付金を集めながら、ペットの健康支援や生活に困窮する家庭へのペットフードの提供等も行っています。保護動物の家族を見つけるだけでなく、新たな保護動物を出さないように両面から課題解決に取り組んでいます。(HPはこちら)


 ペットの飼育を検討する際に、保護動物を迎え入れるという選択肢は日本でも広まってきていると思います。ただし、アメリカのような家の周りにあるお店に実際に保護動物がいて、里親を待っている環境はこの問題をより身近に感じさせます。以前のブログでも書きましたが、企業も含めた社会としての動物に対する向き合い方が違う点で日米の差は大きくあると改めて感じました。



 以上、2回に分けてPETSMARTの紹介をさせていただきました。ロサンゼルスにはこのようなお店に加えて、動物病院やリハビリセンター等の動物に関する他の施設も多く存在し、ペットにとって住みやすい環境があります。このブログを書きながら、ペットを飼い始めようとしている方は、是非その地域がペットにとって暮らしやすい環境になっているか確認してもらいたいと思いました。


青柳 拓 / Taku Aoyagi





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