以前のブログで、PETSMARTの店内でドッグトレーニングが行われている光景をご紹介しました。その際にも、日米間でのペットのトレーニング(しつけ)に対する意識の違いなどに触れましたが、今回はインターンでお世話になっている企業のオーナーが遭遇した、犬とのちょっとしたトラブルを題材に、トレーニングについて改めて考えます。
そのトラブルとは、オーナーが趣味のランニングをしている最中でした。前にいるお散歩中の犬と飼い主を追い抜かそうとした時、犬が急に近くに人が迫ってきたことに驚き、飼い主を守るようにしてオーナーを突き飛ばしてしまいました。この行為だけをみると、しつけがなっていない乱暴な犬のようにも思えます。しかし、突き飛ばした瞬間に飼い主が慌ててオーナーへ謝っている様子を見た犬は、自身が間違ったことをしてしまったとすぐ気づき、動揺していたとのことです。
この話を聞いた時に、私が凄いと感じた点は犬が周りの状況を自ら察したことです。決して、飼い主がその場で犬を叱りつけたからではなく、犬が飼い主の振る舞いや雰囲気から自分がしたことが不適切だったと感じ取ったのだと思います。犬は元々賢い動物だと思いますが、このような社会性を身につけていた犬はなかなか多くはないでしょう。推測にはなりますが、トレーニングがしっかり行われており、飼い主との間に強い信頼関係があるのだろうと思います。
トレーニングやしつけという言葉を聞くと、お手やお座りができたり、飼い主の指示に従うことがイメージされますが、今回の例の犬は単に指示を聞くことができるだけでなく、自ら状況を把握できています。このレベルまで達することは簡単ではないですが、犬が人間の社会で生きる上でトラブルを起こさず、犬自身を守るためにも大切な力だと思います。まずはペットのトレーニングが何のために存在するのか、飼い主が正しく理解することが重要であるように感じました。まだまだ日本ではペットのトレーニングは浸透していないように思うので、啓蒙や飼い主に対する教育が必要だと思います。
なお、このトラブルの後、飼い主は犬に少しだけ叱りつつ、落ち着かせるように抱きしめてあげました。こんな風に、叱ったり、褒めたりする時もそれぞれしっかりと感情を伝えてあげることも大事な点ですね。
青柳 拓 / Taku Aoyagi
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