インターン生が考える 「哲学」から見る、人に会うこと

  哲学の授業でヤスパースの「実存的交わり」について学びました。そのことについて書かせていただきます。


 ヤスパースの「実存的交わり」を解釈するとこのようなことが記されています。人間の自己というものは、他者との関係から生まれるものである。自分が思っている自己、他人が思っている自己というものは、本当の自己ではなく、いわゆるレッテルのようなものである。そのレッテルを剥がすためには、信頼の置ける他者との実存的な交わりが不可欠である。この交わりを通すことで、知らなかった自己が、自分にも他者にも生まれるのである。つまり、表面的な違いを排除し、お互いの人間自身を理解し合うことで、本当の自己が現れ、知ることができるということである。

 他者との関係から、自分の新しい一面が見えてくるということに共感を抱きました。最近はそうでもないが、私は親しくない人と話す時など、何かと主観的な判断で「この人はこんな人だ」とレッテルを貼って話すことが多いです。しかし、会話など実存的な交わりを重ねていくごとに、知らない部分が見えることが多くあります。また、他者から「あもんって〇〇だね」などと言われると、そんな風にこの人は私のことを見ているのだと、新しい自己の発見をすることが経験としてありました。他者との実存的交わりは、現代においてもとても重要だと感じました。

 また、コロナ禍で直接人と会うことが減りました。「画面越しで会えるから」みたいな声をよく聞くようになりましたが、やはり画面越しで人と会い話すことと、実際に生の人と会って話すのとは、得られる情報も気持ち的にもどこか違うように、最近では感じています。直接人と会うことこそ、新たな自己の発見につながるものだと考えました。


2020/12/1 加藤亜門




 

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