緊急時のリーダーの判断

 アメリカ在住30年以上の私ですが、アメリカの悪いところも山ほど見て来ました。日米を色々なところで比較すると、日本が飛びぬけて優れているところも多々あります。しかしながら、チーム、企業、国家など、その組織のリーダーの質については、日米比較にならないぐらい、現代社会においては、アメリカの方が優れています。

 今回のコロナ問題で、連日、アメリカでは、国、州、市、企業のリーダーが、会見をしていまます。特に、被害がどれぐらい拡大するか、今だ見えていないニューヨーク州のクオモ州知事の、毎日の会見から、リーダーというものについて、学ぶところが多々あります。

 私は、判断をするのが仕事で、間違った判断をできない。正しい判断をするために、でいるだけ多くの現場の情報がほしいと、訴えかけています。一方、トランプ大統領も連日必死です。この二人の日々、やつれて行く顔を見ていると、その大変さが察せます。



 トランプ大統領が間違った判断をしかけると、クオモ州知事が、間違っていると訴えかけ、トランプ大統領は謝罪して、すぐに違う判断を下しています。連携の強さに、安心感さえ覚えます。そして、その速さです。

 一方、日本のリーダーたちは、皆さん、上からの指示待ちで、誰も判断をしようとされません。日本の政治の仕組みにも問題があるとも思いますが、リーダーになったからには、正しい判断を、正しい時期にしてもらう責任があると思います。

 減点式の日本では、誰も責任を取りたがりません。責任を取る人間がいないと、何も新しいことができません。このようにして、日本の国も、企業も、他国から、今回の問題だけでなく、他の面においても、大きく遅れを取っています。

 アメリカに駐在している日本企業の駐在員の方が、日本に一時帰国するか否かという問題を、多くの日系企業が直面しています。ほとんどの会社が、誰かに判断させようとして、誰も責任を取ろうとしていません。最終的には、本人に判断させるという、責任逃れの方法を取っている企業も多々あります。もちろん、本人の判断にゆだねるというのも、正しい形ですが、その本人にゆだねるという理由が、情けなくなるような理由です。

 緊急時、みんなが不安です。こんな時に、強いリーダーか否かは、早い判断と責任、そして、国民、社員を安心させる余裕で決まると思いました。



 今後、AIが発達していき、多くの仕事が、AIに変わっていくでしょう。AIにできないのは、責任を取ることと、判断をすることです。今後、求められる人材像が、これから見えて来ます。

※今の日本、数年前に観た「シンゴジラ」を見ているようです。









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