インターン生が調査 | 最先端のフードテック(Food-Tech)とは

 日本では、まだまだ認知度が低い印象のヴィーガン料理(ビーガン料理)ですが、アメリカではヴィーガン(完全菜食主義者)向けの商品やレストランが、一般的に受け入れられ始めています。

 例えば、アメリカを中心に話題の「代替肉(代替ミート)」です。代替肉とは、牛肉などの動物の肉を使わずに、豆やナッツなどの植物など別の素材で代替したものです。完全菜食主義者の増加や、環境への配慮などから、急速にその市場は拡大しています。ロサンゼルスにある「Beyond Meat」は、2019年に代替肉の製造販売企業で世界初の上場(NASDAQ)を果たし、日本上陸もそう遠くないかもしれません。

 このような未来の「食」を変えつつあるテクノロジーのことを、フードテック(Food-Tech)といいます。フードテックの最大のメリットは、食に関する様々な問題を解決できる可能性があることです。今後、市場規模は700兆円にも上ると予想されています。

フードテックが解決できる問題

 フードテックが使用できる業界は幅広いです。農業や流通、小売、調理、デリバリー、外食や中食などの食関連サービスだけに留まりません。「食」とは、人類だけでなく、動物もターゲットになるものです。金融×ITのフィンテック(Fin-Tech)が、新たなビジネスを生み出したように、食×ITのフードテックでも、新たな産業やビジネスが創出されるのではないでしょうか。今後、フードテックの進化とともに、多くのビジネスチャンスが生まれることでしょう。

フードテックが解決できる問題とは?


1. 食糧不足や飢餓問題

 日本をはじめ先進国の人口は減少傾向にありますが、発展途上国においては人口が増加し続けています。現在、77億人とされる世界の人口は、2050年には97億人、2055年には100億人を突破すると予測されています。食料生産は、今のままでは、需要と供給のバランスが崩れ、将来的に食糧不足が予想されます。そのため、持続可能な方法で生産性を高めることが必要とされています。

フードテックが解決する食料不足と飢餓問題

 また、世界の食料生産高は、世界中の人々が生きていくために、十分な量があるにも関わらず、現実は、世界各国で飢餓問題が発生しています。途上国では、食料の加工や配送、保管の技術不足で、食料を必要とする人々に行き渡らない環境があります。一方で、先進国では、食べ残しや賞味期限切れなどで、大量の食料が廃棄されています。フードテックでは、そのようなアンバランスを解決できる可能性があります。
  • AIによる無人農場の経営
  • 新素材の開発
  • 食料の長期的な保存方法の開発
  • 冷凍や配送に関する新技術

このような新技術が、発展途上国における飢餓問題や、将来的な人口増加による世界的な食料不足といった食料問題の、解決の糸口として期待されています。

2. 菜食主義者向けの食品開発

健康志向、宗教上の制限、動物愛護などの理由から、動物性の食品を避けた食事をする菜食主義者は増加しています。代表的なのは、前記したような「代替肉」です。


3. 食の安全

食品の腐敗具合を診断する技術による食中毒防止や、安全に長期保存可能な梱包材料の開発による異物混入防止を目的とします。これにより、より安全性の高い食が期待できます。


4. 人材不足


 農業、漁業といった第一次産業の人材不足や、労働人口減少による外食産業や食品製造業の人手不足が問題となっています。AIによる省人化や無人化で、人材不足の解決が期待されています。

注目される最先端テクノロジーとは?


1. 人工食材の加工技術

動物性の素材を使用せず、植物性の素材で作る人工肉やチーズ、卵やバターなどの最先端製造技術です。

【ヴィーガン料理】大豆ミートで作られた代替肉(人工肉)

2. 最先端の農業技術による、植物工場

天候や害虫などの影響を受けずに、屋内での栽培が可能になったことで、安定的な生産を行うことができます。生産量が外的要因に左右されず、どのような気候の地域でも、計画的な農業経営が可能になります。

3. 昆虫などを含む新食材

有名なのは豊富な栄養を含むミドリムシです。昆虫類は栄養価が高く、餌が必要な家畜などよりも環境にかかる負担が低く、低コストでの大量生産も可能なため、様々な商品開発が進められています。

4. 細胞培養の最新テクノロジー

例えば、培養肉とは、動物の細胞を培養し、増殖させて作り出した代替製品のことです。本物と変わらない牛肉や魚、野菜などを作り出すことが可能です。高コストがかかる一方で、環境にやさしく衛生管理もできるため、期待されている技術です。

まとめ

今回は、私が興味を持ったフードテックという分野についてまとめました。フードテック業界は、今後ますます成長し、新しい技術や市場が次々と生まれると思います。日本では、代替肉を使ったヴィーガン料理などは、まだまだ認知度が高くない印象です。一方で、アメリカのNYでは4人に1人がヴィーガンだそうです。数年後には、日本でもヴィーガン料理が広まると思います。引き続き、フードテックについて、自分なりに研究していきたいと思います。

ヴィーガンチーズと大豆ミート(代替肉)

井上芽衣


コメント