インターン生が思う、米国一般教書演説

 M-Cross International Corporationインターンシップ中の武田光陽です。

 今回は、2月4日夜(日本時間5日午前)に行われたトランプ大統領の一般教書演説を見て、自分なりに考えたことや気づいたことについて述べたいと思います。

 私は、トランプ大統領の一般教書演説を見て、日本の内閣総理大臣の施政方針演説や所信表明演説とは、議員への説明や伝え方が違うのでは?と感じました。例えば、一般教書演説では、大統領が話す内容毎に共和党議員が毎回立ち上がり、そして拍手していました。(民主党議員側は微動だにしていなかったですが・・・)
 このような、議員に対するリーダーの演説の仕方の日米における違いを踏まえて、政治の場で行われる演説(今回は米国の一般教書演説と日本の施政方針演説)とはどういうものであるか、また日米の違いについても考えてみました。
 
 一般教書演説とは、1年の初めに、大統領が、立法、司法、行政、軍事を担う人々の前で、アメリカの現状、成果、課題について、演説をするというものです。
 具体的には、軍事、国内・国際経済、世界の覇権国としての考え、医療などの社会保障、インフラ整備、そしてアメリカの自由を守るために何をしているかといったことが述べられていました。
 
 そして日本の施政方針演説では、1年の最初に開かれる国会である通常国会の冒頭に、首相が行政の長として、1年の基本方針とより具体的な政策が述べられます。具体的な内容は、五輪、地方創生、成長戦略、社会保障、外交・安全保障など、こちらも一般教書演説と同じように多岐にわたります。

 これら二つの演説を見て、私が最も感じた日本とアメリカの表現の仕方の違いは、アメリカのトランプ大統領による一般教書演説のほうが、人々に対してより感情で訴える力が強いことです。また、聴衆もそれに対して、何度も何度も反応していた点も日本とは異なります。

 これは、大統領が行ってきた施策に関連する個人の名を出して、その方を大統領が称賛したり、反対に批判したり、また、聴衆はそれに対して、称賛の拍手を送ったり、皮肉を含んだ拍手を送ったりしていたことなどからわかります。特に、トランプ大統領の原稿を、アピールするかの如く破り捨てた、民主党のペロシ議長と、その映像とは真逆の共和党議員や支援者によるUSAコールが会場内に響いていた映像には、明と暗といいますか、静と動といいますか、熱量も含めて、あまりのギャップの大きさに驚かせられました。

 これらの違いは、一般教書演説と施政方針演説の位置づけが、少し異なっていることが理由でもあるのかもしれません。また、これらは日米の違いではなく、トランプ大統領と安倍首相の違いでもあるかもしれません。そして、この違いは、良い悪いで判断されるものではないでしょう。

 ただ、アメリカの政治家(ここではトランプ大統領)は、より感情を用いて聴衆に語りかけ、犯罪者から、国のために殉職した軍人の話まで具体的に持ち出し、それに対し、聴衆もなんらかの行動をする場面を見ていると、ショーのように感じ、アメリカという国は、面白く、日本とは文化・慣習面で政治の場でも、大きな違いがあるなと考えさせられました。

一般教書演説の動画はこちら☟
テレ東News トランプ大統領一般教書演説

2020/3/6  武田光陽



コメント