インターン生が思う、新型コロナと国の対応

 今回のブログでは、新型コロナによる感染拡大の対策として、アメリカが韓国の一部などに対しレベル4(旅行禁止)まで、渡航情報を引き上げたことをきっかけに考えたことについて、文章にしたいと思います。


 アメリカ政府は、海外への旅行者や滞在者向けに、4段階ある渡航情報で危険な国などへの渡航に対し注意喚起をしています。そして、今回の新型コロナに関連していくつかの国では、危険度を表すレベルが引き上げられています。

特に、現在(2/29)の日本と韓国に対する渡航への評価を見てみると、感染者が急増している韓国の大邱はレベル4(旅行禁止)で、韓国(大邱を除く)はレベル3であり、一方で、日本はレベル2(注意強化)でとどまっています。
この背景には、韓国では爆発的に感染者が増えているという現状があります。

数字を挙げると、現時点で韓国ではこれまで約3000人が感染しました。その中でも、大邱市は2000以上の人が感染しているそうです。そして、これまでに感染が疑われ検査を受けた人は約94千、今現在約35千人が検査待ちという状況で、まだ感染者は増加するとみられている。
一方日本国内では、クルーズ船(ダイアモンドプリンセス号)で感染した乗客乗員を含めると約950人で、クルーズ船での感染者を除くと、約200人だそうです。
この韓国と日本の感染者数の違いは、ただただ感染が、韓国では日本より広がっていることからきていると考えることができます。

しかし、日本で明らかになった感染者数は実は氷山の一角ではないか、という声も上がっています。つまり、日本では潜在的にはより多くの感染者がいるが、その人々を検査できておらず、感染が明らかになっていないだけではないかということです(意図的に隠されている可能性もありますが、)

そして、「実際にクルーズ船で、700人を超える人々が感染しているのに、街中で広がらないわけがない」とメディアを通し指摘する医師もいます。また、中国からの入国者への規制の遅れによって、感染者が日本に入国したこと。さらに、オリンピック開催や、習近平国家主席の来日という政治的問題のため、不都合な事実を意図的に隠すまではしなくても、できることなら明らかにしたくないという国の考えがあるようにも考えられること。そして、検査されなかったり、検査が遅れたりして感染が明らかにならなかった感染者が存在すること。これらも、感染を拡大させている原因なのだと考えられます。

しかし、これらの諸原因については、証明できない事柄もあり、ここでは、日韓の検査能力の違いについて考えたいと思います。
日韓の検査能力を比較すると、現在日本では、1日に約4000件の検査が可能であるのに対して、韓国では約1万人の検査が可能のようです。そして、日韓共通ですが、これは検査できる最大の数で、実際に検査される件数はこれよりも低いです。この検査数の違いが少しでも、明らかになった日韓の感染者数の違いに影響していて、それがアメリカの渡航情報のレベルの引き上げにも影響しているならば、まじめに検査することが経済の悪化をさらに招くことになり、韓国はジレンマに陥っているように感じてしまうでしょう。

日韓の検査能力の違いの理由は、感染症に対する準備がされてきたかどうかという部分が、私は大きいのではないかと思います。そして、それは危機感の違いが原因だったのではないでしょうか実際に、韓国は数年前の2015年にMARSという、日本国内では感染者が見られなかった、今回とは別のコロナウイルスの影響を受けたことがあります。よって、韓国は日本よりも、感染症に対しての対策ができているのではないかと思います。

また、韓国は他国と陸続きになっている一方で、日本は、島国という閉ざされた空間だということも、飛行機などの移動手段、ネットなどのコミュニケーション手段が発達した現在も、意識として残っていると思われます。これによって、日本で感染が確認されても、対策が後手後手に回ることがあると考えられます。

今回の新型コロナウイルスは、これから感染がさらに拡大すると考えられますが、その後いつかは収束に向かっていくでしょう。しかし、今回露呈した日本の検査能力が、十分ではないことから、正確な統計が取れないだけでなく、さらに感染を広めてしまったという結果から、日本が改善する部分は多くあると私は思います。

今回も含め、これから新型の感染症が発生した時には、ウイルスごとに違いもあると思いますが、より簡単に検査がすぐに実施でき、それをオープンにする姿勢を持ち、それによって感染を抑えることができるような体制の準備を国には作ってもらい、備えてほしいと、私は思います。


2020/2/29  武田光陽

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