抗議行動に学ぶ知識への姿勢

 先日、Facebookのある投稿を代表にシェアしていただきました。
 滋賀県内の公園での、除草剤(ラウンドアップ)散布に対する抗議を促すものです。


 ラウンドアップは、1970年にアメリカのモンサント社が開発した除草剤で、現在はドイツの製薬大手バイエルが生産・販売権を保有しています。主要成分である「グリホサート」は発がん性が指摘され、世界各国での抗議行動の高まりや、使用禁止・販売中止を引き起こしています。

 アメリカでは、昨年8月、今年3月と5月の3回にわたり、がんの原因をラウンドアップによるものとする訴えで原告が勝訴しました。このような訴訟はこれまでに13000件を超えています。また、アメリカの全ての州で、ラウンドアップの全面禁止を求める運動が開始され、ニューヨークでは、ラウンドアップを「安全な農薬」と宣伝することが禁止されているそうです。
 「発がん性のある農薬を市場から閉め出し、生態系を守る農業に移行しつつある農家を支援するときが来た」としてアメリカ市民は立ち上がっています。

 アメリカ人以外にも、毎年5月には、各国の農民や労働者が「反モンサントデー」として、抗議行動を起こすなど、問題を市民が理解し、自ら行動しているのが世界の現状です。

 そんななか、世界中で禁止されたラウンドアップは、遺伝子組み換え食品と共に、日本市場に溢れています。グリホサートは安全だと公表する日本政府、世界的にみても緩い遺伝子組み換え食品表示、貿易協定による作物輸入の圧力などがその理由です。
 それでも、日本は安全だという認識から、現状に気が付いていない、情報を得ようとしていない人が、私を含め日本には多いように思います。

 結果として、冒頭で触れた、滋賀県彦根市でのラウンドアップ散布は取りやめとなったそうです。市民による、危険性についての情報拡散や、市役所への抗議などが功を奏しました。知っている人は、自ら考え、行動します。その結果、なんらかの変化が生まれるのだと実感しました。

 インターンシップをする中で、自分がいかにものを知らないか実感することが多いです。無知であること自体も問題ですが、それを自覚することが大前提だと学ばせて頂きました。今まで欠けていたのは、何も知らない自分を知り、必要な知識を自ら獲得する努力だと思います。関係ないと考えず、多くのことに触れようとする姿勢が、私にはまだ必要です。

2019/08/05 原唯奈

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