安心させるニュース内容に注意


 アメリカで生活して、早くも一週間以上が経ちました。そんな中、日々過ごしていて非常に違和感を覚えたのが、缶もペットボトルも全て同じ袋に入れて捨てている所です。


 「日本ではもっと分別して環境に気を使っているのになあ」と、日本で育った私はいつも考えていました。日本のニュースでも「日本はアメリカに次いでプラスチック消費量が多い!でも私たちは高い技術力でそれをリサイクルしている」といった内容を見かけたのを覚えています。私たち日本人はプラスチックをたくさん使ってもそれを分別して捨てていることから、リサイクルしていると信じて罪悪感をあまり感じていない気がします。しかし、果たして本当にそうなのでしょうか。日本にいるときは信じて疑わなかった私ですが、今回アメリカの分別を見てふとそのニュースを思い出し調べてみることにしました。

 日本は、「プラごみリサイクル率84%」となっているそうです。日本政府および企業の定義によると、日本のリサイクルはマテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル、サーマルリサイクルの三種類に分類されます。日本のリサイクル率84%のうちケミカルリサイクルはわずか4%、マテリアルリサイクルも23%です。残りの56%はサーマルリサイクルといって、プラスチックを燃やした際に発生する熱をエネルギーとして有効活用します。つまり、日本はプラスチックをリサイクルできているというのは決して嘘ではないですが、内情は殆どが熱としてのエネルギー活用ということです。私の認識としてはリサイクルすることは、環境汚染を緩和する目的が大きいと思います。そのため、その意味では「燃やすことがリサイクル」ということに疑問を感じました。

 では、リサイクルしていると安心してプラスチックを使い続ける日本と、積極的にゴミをなくすことに取り組み始めているアメリカとではどちらが環境に優しいと言えるのでしょうか。答えは歴然としていると思います。これは今まで私が何も考えていない、疑問に思っていないからこそ知り得なかった事実でしょう。ただ単に自分が気づいていないだけで、自分の考えや思い込みを見直すきっかけはきっとどこにでもにあるのだと感じました。



参考URL

世界基準からズレた日本の「プラごみリサイクル率84%」の実態

https://forbesjapan.com/articles/detail/24796/2/1/1, 2019/08/16時点

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