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こんにちは。Seishiroです。今回はカリフォルニアにおいて深刻な災害である山火事を例にCSRについて考えたいと思います。

 

 CSRとは、Corporate Social Responsibilityの略で、企業の社会的責任を意味します。企業が事業を行ううえで、社会に対して責任を負うこと、たとえば環境破壊をしないことや地域社会へのモラルある振る舞いをすることが挙げられます。製品やサービスの提供により社会と接点を持つ以上、ほぼすべての企業がなんらかの形でCSRを行うことができると思います。

 

 米カリフォルニアにおいて山火事は深刻な災害です。201811月、カリフォルニア州サンフランシスコ北方ビュート郡で山火事が発生し、少なくとも48人が死亡する大惨事となりました。

 カリフォルニアは1年を通して湿度が低く、強い風が吹くため山火事が発生しやすい(火が燃え広がりやすい)環境となっています。しかしそもそも火種がなければ火事にはなりません。つまりカリフォルニアの山火事にはこの環境以外に原因があると考えられます。その原因について調べてみたところ、いくつかの原因を発見しました。放火やキャンプファイヤーの残り火などの人災、また、電線の不具合や風による木々への接触が山火事の原因となり得ることが分かりました。放火等の原因は個人の行動に問題がありますが、電線は企業が事業を行うために存在する物です。それが原因で山火事が起きてしまうならば、当然その企業は無関係ではいられません。

 

2018年のビュート郡の山火事の話に戻りますが、調べてみたところその原因についてニュース記事が見つかりました。カリフォルニア州の電力大手Pacific Gas & Electric(以下PG&E)が、山火事の起きた118日に付近の送電線の設備で火花が生じる不具合を把握していたという内容です。PG&Eも、自社の設備が山火事の原因となった可能性があるということを公表しています。

 PG&Eは大手電力会社であり、地域社会のインフラに大いに貢献しています。安定的に電気を供給することがその使命ですが、この件のように商品(電気)の提供以外にも事業を行ううえで責任が伴います。そしてそうした責任は果たすべきものでありますが、果たしても利益が得られるものではありません。この責任こそがCSRです。利益は得られずともCSRを果たすことには意義があると考えます。CSRを全うすることで、顧客等のステークホルダーに対する信頼を得ることができます。

 

 山火事は人の命や生活に大きく関わる重大なもので、自社の事業(設備)がその原因となり得るPG&Eについて調べてみました。PG&Eにとってこの問題に向き合うことは、たいへん重要な社会的責任といえるでしょう。PG&E社のホームページには「WILDFIRE SUPPORT」の項目があります。その項目には山火事が発生する前と後について、事細かに対策や自社のサービスの説明が書いてありました。山火事の予防や仮に起きてしまった際のケアについて、顧客(地域住民)への真摯な姿勢が伺えました。これまでの山火事等もふまえ、責任を果たしているかどうかは個人の考えによると思いますが、こうした企業努力は大切であると思います。

 

 
 CSRは企業にとって、利益を出すための営業活動とは違った活動になります。しかし、営業活動と同様に大切であると感じました。特にPG&E社のように、人に深刻な影響を及ぼす問題を起こし得る事業をしているならなおさらです。普段私たちが利用しているような企業も、こうした側面から見れば違った姿を見せるかもしれません。

コメント

  1. Hi Seishiro. This is a good report on CSR. As someone soon to be working in accounting/finance at a major manufacturing and technology corporation, you might also be interested in the new field of 'sustainability accounting.' Please have a look at this organization's website: https://www.sasb.org/.

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