こちらに来て、早二週間が経ちました。時が経つのは速いものですね。こちらでは、ペルー料理・韓国料理・タイ料理・メキシコ料理など、辛いものを食す機会が非常に多いです。また、先日、アルティメットをするため公園へ行った際も、周りに飲食店がなく、日本の某カレー屋さんへ。(こちら一帯では、土日は閉店しているというお店が少なくありません)そこで最も辛いカレーを食べました。
見た目通り、それほど辛くありませんでした(笑)タイ料理のお店で食べた青唐辛子のようなものの方が、数段辛かったです。私自身が辛いものが好きということもありますので、本日は辛み、殊、カプサイシンについて、アウトプットさせていただきます。
【辛みの種類】
まず、辛みは以下の三つに大別されます。
①唐辛子によるもの・・・発熱・発汗作用/舌に熱・痛み
②ワサビ・芥子・大根など・・・清涼感と鼻に「ツーン」と来る刺激
③ショウガ・山椒など・・・発汗作用と清涼感
本記事では①に焦点を当てて、お話しします。
【辛みは味覚か】
私は辛いものをよく食べるために、しばしば「味覚音痴」と揶揄されます。その揶揄は。辛みは味覚だという前提に立ったものであると思います。しかしながら、生理学的定義に基づくと辛みは痛覚に分類されます。というのも、味覚とは、五基本味(苦味・酸味・甘味・塩味・旨味)を指しており、辛みは上記のいずれにも当てはまりません。辛みとは、舌・口腔のカプサイシン受容体が感知する痛覚のことなのです。
【辛みの尺度】
辛みを計測する尺度として、スコヴィル値というものが20世紀前半から広く使われています。1912年に製薬会社勤めのウィルバー・スコヴィルがカプサイシンの辛みを計測する手段として考案しました。カプサイシンの純粋結晶が基準値1600万SHUとして定められています。
1910年の肖像画
【辛みの中毒性】
辛いものを食すと、人は恍惚になると言われています。アドレナリンとエンドルフィンという二つの脳内ホルモンが関係しています。
アドレナリン:脳を興奮状態にし、闘争心・集中力・運動力などを向上させる作用があります。
エンドルフィン:脳をリラックスさせ、幸福感や恍惚感を与え、また苦痛を緩和するという作用があります。
カプサイシンを摂取することにより、まずアドレナリンが分泌されます。すると、全身に活性酸素が発生し、脳に大きく負荷のかかっている状態になります。この状態は脳に大きくストレスがかかっている状態であるため、それを緩和するためエンドルフィンが放出されます。この、エンドルフィンはモルヒネなどの脳内麻薬と同様の働きをするため、辛さがクセになるという状態に陥ります。
では、なぜより辛いものを求めるようになるのでしょうか。実は、カプサイシン受容体と同様に、エンドルフィンの受容体も存在します。そして、受容体の量はエンドルフィンの分泌量に比例し増加します。受容体が増えると、幸福感・恍惚感を得るためには、より多くのエンドルフィンが必要となります。より多くのエンドルフィンを得るためには、アドレナリンが必要です。そして、アドレナリンの分泌のためには、カプサイシンを摂取する必要があります。このように、芋づる式に、辛いものの摂取量が増えることになります。
【健康への影響】
ここまで、聞くと麻薬のように恐ろくものという印象をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。最後に、カプサイシンの摂取による健康への影響をお話しします。
唐辛子はアジアや南米を中心に、香辛料としてのみならず、漢方としても長年親しまれてきました。食欲増進・疲労回復・冷え性改善・血流改善・コレステロール値低下など様々な効能があるとされています。しかしながら、過剰摂取によって、胃腸・食道・口腔がダメージを受ける虞があるとされています。その対策として牛乳を先に摂取し、コーティングをすることが挙げられます。私は、辛いものを食す時に、自然と牛乳をお供にしていましたが、理に適っていたのかもしれません。今後は、健康にも気を遣いながら、安全かつ刺激的な辛党ライフを満喫したいと思いました。
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