インターン生が調査 日韓GSOMIA 複雑な国際関係

 GSOMIAについて何も知らなかったため、調べたことについて書かせて頂きます。

 GSOMIA(軍事情報包括保護協定)は秘密軍事情報を提供し合う際、第三国への漏洩を防ぐために結ばれる協定です。有事の際の共同作戦に必要な情報が対象とされています。これらのことを初めて知りました。

「gsomia 韓国はなぜ破棄したい」の画像検索結果
(出典:kankoku.jpg


 韓国は日本とのGSOMIA締結に関して、後ろ向きであったと言われています。朝鮮半島が日本によって植民地支配されていたという、過去の歴史に由来する意識が、韓国の人々の根底に常に存在しているためです。日韓GSOMIA締結によって、また日本によって悪いことが行われるのではないか、という不安と理屈抜きでの、感情的な反対も少なからず韓国国民の中にはあったように思います。日韓の関係は歴史的な影響がとても強いと感じました。

 日韓での共通の脅威は北朝鮮です。日韓共にアメリカとの協定を結んでいるため、北朝鮮のミサイル情報はアメリカ経由で知ることができます。日本にとって、北朝鮮の脅威が核やミサイルであるのに対し、韓国にとって、北朝鮮の脅威は核やミサイルではなく、南北の停戦ラインである38度線に配備された通常兵器です。これも韓国が締結に後ろ向きであった理由だったのではないかと思います。と言うのも、恐れているものが日韓で異なる、日本よりアメリカからの情報の方が質が高い、と言う点から韓国は米韓での協定だけで十分足りていると思いました。また、韓国は北朝鮮と隣接する国で、ヒューミント(スパイなどから得る人的情報)を得ており、明らかに日本からの情報より質の高い情報を、自国だけで手に入れています。一方で、アメリカの立場からすると、サード・パーティー・ルールにより情報の漏洩ができないため、有事の際に共同作戦を、それぞれの国と独立して行うのは都合が悪く、日韓のGSOMIA締結の橋渡しが、必要であったのではないかと思います。最終的に米韓の関係悪化を恐れた韓国が、日韓GSOMIA締結に応じたのではないかと思いました。

 そして今年、日韓GSOMIA破棄問題が起こりました。韓国の協定破棄は、日韓の関係悪化だけでなく、米韓の関係悪化にも繋がると予想されていました。しかし、アメリカからの強い圧迫を受けた韓国側は、最終的には協定の継続に応じ、問題の先送りをしたように思います。しかし、この裏では中国、ロシア、アメリカと強大な力に挟まれる、韓国の葛藤があったのではないかと思いました。文大統領の夢の1つに、二つに引き裂かれた祖国の統一があると言われています。彼の両親は北から南に逃れてきた避難民で、日本の戦後のような生活を送っていたようです。大統領になり祖国を一つにするチャンスがやってきた今、韓国という小さな国だけでは、この夢を成し遂げることはできない、かと言って、アメリカの一片倒では何も変わらない、と考えた文大統領は中国、ロシア、その他中央アジアも加え、大きな枠の中で夢の実現をしたいと考えます。中国、ロシアを含むこの大きなユーラシア大陸の中で、鉄道をつなぎ、人々の交流や経済活動を促進していく中で、北朝鮮の融解をしていくと言うものです。そのためにも、どの国とも良好な関係を保ちたいと考えた結果が、GSOMIA延長の決め手になったのではないかと思いました。

 もし、日韓GSOMIAが破棄され、そこに中国、ロシアが巻き込まれる事態が起きたとしたら、軍隊を持たない日本はアメリカに頼ることでしか、自国を守ることはできません。しかし、常にアメリカが日本を守ってくれるとは思えません。日本は最悪の事態を予想した時、どのような対応ができるのか、まだ自分の知識では想像すらできません。そもそも、この小さい島国に対応などできないのではないかと思います。

 日韓GSOMIAの調査を通して、まだまだ調べてもわからないこただらけですが、日本に起きていること、世界に起きていることを知らないで、この現代を何気なく生きてしまっていることに、とても恐ろしく感じました。自分の周りにアンテナを張り、日本だけでなく、世界のことについても、もっと知る必要があり、それについて自分の意見を持って考える、と言うことが大事だと思いました。

12/3/加藤亜門
 

コメント