スーパーマーケットの調査中、こちらの商品に興味を持ちました。
茶色の瓶に入った飲料です。「KOMBUCHA」とあるので、日本で言う昆布茶だと考えましたが、調べてみると全く違うものでした。
正体は、東モンゴル原産の日本で40年以上前にブームになった「紅茶キノコ」という発酵飲料です。紅茶や緑茶に砂糖を加え、そこにゲル状の塊を漬け込んで発酵させたもので、お茶にキノコが浮いているような見た目から、そう呼ばれるようになりました。
このような微炭酸の飲料です。酸味があり、飲むと舌に多少の刺激を感じます。飲めなくはないのですが、ジュースのような美味しさは感じられませんでした。
日本では既に忘れ去られてしまったKOMBUCHA、こちらのスーパーマーケットには、かなり多くの商品が販売されています。
おしゃれなボトルに入れられ、ラベンダー、トロピカル、ジンジャーピーチなどのフレーバー展開がされています。
ボトル入りにとどまらず、KOMBUCHAのサーバーまで用意されていました。
2018年にはアメリカのコカ・コーラがオーストラリアのKOMBUCHAのメーカーを買収したほど、アメリカ市場でKOMBUCHAに注目が集まっています。
KOMBUCHAヒットの理由について、キーワードは健康・ファッション性・アメリカ人の三つだと考えました。
体に良い発酵飲料がボトルに入っており、料理のように他のものと組み合わせずとも、ボトル1本だけで栄養を取ることができる。また、砂糖たっぷりの甘い炭酸飲料の代替品を求める消費者の需要を満たす、という健康面での役割。
有名人によってKOMBUCHAという言葉が一般に広まり、KOMBUCHAを選ぶこと自体に意義が見出されている。おしゃれなデザインのボトルを楽しむ、というファッションに通じる部分。
珍しいものでもとにかく受け入れてみる、多くのフレーバ―を用意して楽しむ、というアメリカ人の考え方。
新たなヒット商品が生まれた背景について考えることで、現代のトレンド、消費者が求めているもの、その国の人々の思考を掴む機会になるのではと思います。
2019/07/14 原唯奈
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