アメリカ人と精神的な豊かさ

 広いビーチで、人々が一か所に集まって座っていました。


 近づいてみると、笛や銅鑼の音を鳴らしながら、瞑想をしていることが分かりました。年齢や性別に関わらず、色々な人が参加しているように思えます。

 宗教っぽい、とっつきづらい、というイメージを抱いてしまう瞑想ですが、ヨガと同様、アメリカでは生活に取り入れている人が多いようです。

 以前、スーパーマーケットのレジ横にも、「meditation」に関する雑誌が置かれていたことを思い出しました。


アメリカのCDCのレポートによると、2012年に4.1%であったメディテーション人口は、5年間で14.2%まで増加しました。3億人超の人口のうち、約4000万人です。


 ビーチで感じた通り、女性だけでなく、男性もメディテーションに取り組んでいることが分かりました。年齢層も比較的バランスよく散らばっています。


 アメリカ人の価値観として、物質的な豊かさだけではなく、精神的な豊かさが重視されていることをよく感じます。広い空の下でマーケットを楽しむ、健康にこだわった食事を選ぶ、企業がCSRに力を入れる、消費者もそんな企業を選ぶ。毎日をただ過ごすのではなく、どう生きることが幸せか、ということが考えられているようです。

 この国の人が持っている心の余裕は、生活や社会の質を高めているように思います。日々の中で、より心地良い生き方を模索するアメリカ人の価値観を考える機会となりました。

2019/07/30 原唯奈

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