服と共にストーリーを売る

 業務の関係で、日米の色々な企業のホームページについて調査しています。
 「Everlane」というアパレルブランドのものを見ると、ブランディングについて新たな発見があるとアドバイスを頂きました。

 サンフランシスコ発のEverlaneは、オンラインのみで衣料品を販売するスタートアップ企業です。企業のポリシーは「Radical Transparency(究極の透明性)」とされており、ホームページを見るとその意味が分かります。
 

 左上に「Factories」という項目があります。クリックすると現れるのは、世界中の提携工場と、そこで働く人々の写真です。

 

 Everlaneは、提携する工場を、技術・社風などのいくつかの観点から厳選しています。全ての工場との出会いにはストーリーがあり、その商品を作るのにベストな工場が世界中から選ばれていました。
 自分たちが納得できる製造工程をふんでいるからこそ、工場のリアルな様子や作っている人の顔を見てもらう、そのうえで商品の価値を理解してもらう、ということが徹底されています。「#KnowYourFactories」というハッシュタグをホームページ上で発信している点からも、透明性のある製造・販売が売りにされていることを感じました。
 オンライン専門のブランドとして、このような方法で、消費者の商品に対する理解、印象を高めることは、効果的なのではないかと思います。


 実際に、こちらのパンツの購入ページに移動すると、どの提携工場で作られた商品か、確認できるようになっています。

 さらに、商品製造における全工程のコストが、分かりやすく掲載されていました。隠し事の無い透明性が、商品の魅力をさらに引き出しています。


 製造工程を示すだけでなく、売りにしている、革新的なブランドの存在を知りました。消費者は、一着の服を買う度に、それにまつわるストーリーを購入しているような気持ちになるのでしょうか。新たなビジネスモデルの企業について知ることは、とても興味深いです。

2019/07/20 原唯奈





 

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