アメリカの小売店舗視察 第2弾は、オフィス用品店です。
アメリカで最も大きなオフィス用品店といえば、オフィスデポ(Office Depot)とステイプルズ(Staples)です。
ステイプルズはアメリカに 1,302店舗、オフィスデポは 1,564店舗あります。オフィスデポの店舗は、特にテキサス、フロリダ、カリフォルニアに集中しています。
文具店と言わないのは、オフィスに関するものはなんでも揃うからです。例えば、休憩室用のコーヒー、掃除用の洗剤、オフィス家具などもあります。そのため、一般消費者に加えて、企業も重要なお客さんです。
こちらはステイプルズ(オフィスデポは、すみません、写真がありません)。
オフィスデポの店内と比較すると、ステイプルズは陳列されている商品数が多く、モダンなイメージの内装でした。オフィスデポは少々ガランとしていて、店舗内装もアップデートが必要?な感じです。
売り上げを見ると、北米小売が、ステイプルズは95億ドル、オフィスデポは60億ドルで、どちらも前年比約8%減です。北米ビジネスは、ステイプルズが 84億ドルで前年比1%増、オフィスデポは 57億ドルで前年比5%減です。店舗数ではオフィスデポの方がステイプルズよりも多いのですが、売り上げではステイプルズの方が上です。
商品カテゴリーで見ると、オフィス用品がステイプルズでは65.4%と割合が多いのに対して、オフィスデポは47.6%です。オフィスデポでは、コンピューターや技術サービス、家具の割合が、ステイプルズに比べて高くなっています。
オフィスデポは、2013年にオフィスマックス(Office Max)と合併しており、統合に伴う店舗閉鎖を進めており、2014年と2015年で349店舗を閉鎖しましたが、2016年にはさらに400店舗閉鎖予定です。
ステイプルズは、効率化のため、過去4年間で店舗の15%以上を閉鎖しましたが、2016年にも少なくとも50店舗を閉鎖する予定です。2020年までは北米に注力する戦略です。
実は、両社は合併する予定でした。
ステイプルズは、2015年2月にオフィスデポの買収を決めていましたが、独占禁止法に抵触するとして連邦貿易局と裁判になり、敗訴して2016年5月に買収を断念しています。ステイプルズは、1997年にもオフィスデポに関して同じ経験をしています。
視察したステイプルズ店舗はウォールマートの隣にあり、大混雑していたウォールマート店内を見た直後だったので、誰もお客さんがいないのではないかと思われるステイプルズには、思わず入るのを躊躇ったほどでした。ウォールマートでも安く同じような商品が買えますから、今後両社において、ビジネス顧客の重要性は益々高まっていくのではないかと思います。
次回は、インテリア、キッチン用品店についてお伝えします。
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