アメリカの小売店舗視察ーその4(オーガニック食品)


アメリカの小売店舗視察、今回はオーガニック食品です。


オーガニックに力を入れているスーパーとして、ホールフーズ(Whole Foods Market)とトレーダージョーズ(Trader Joe's)に行きました。



ホールフーズは、アメリカ、カナダ、イギリスに464店舗あります。売上高は157億ドルで、粗利が34.4%です。今年度前半には、22店舗を新たにオープンする予定です。



ホールフーズはイギリスとフォーマットも似ていました。温かみのある雰囲気です。ロンドンのホールフーズでは、一度イタリアのチョコスプレッドで有名なヌテラを売っているか聞いたところ、あんな体に良くない物質が入っているものは売ってません!と言われて驚いたことがあります。




トレーダージョーズは、カリフォルニアを中心に460店舗あります。ホールフーズとほぼ変わりません。未上場企業で、売上高は公表していません。アメリカ国内では、ホールフーズよりも店舗が多いかもしれません。


「近所のスーパー」をコンセプトとしており、従業員のサービスがいいことでも知られています。私たちが行った時も、レジで従業員が親しげにこちらに話しかけながら、袋詰めしてくれました。レジのレイアウトもオープンで、お客さんと従業員が向こう側とこちら側で分かれる、といったデザインになっていないようでした。


商品数は、ホールフーズよりもかなり少ないようです。



オーガニックといえば、スーパーではなく、マーケットの形態もあります。近くのファーマーズマーケットTorrance Certified Farmers Marketに行きました。土曜日と火曜日の8時から1時まで開きます。野菜、果物、チーズ、はちみつ、お肉などが売られています。やはり日光が降り注ぐカリフォルニアは、野菜や果物の種類がイギリスとは違って豊富です。






ロンドンのファーマーズマーケットでは、野菜からお肉まで、価格がスーパーで買うよりもとても高くて、来る人は高所得層が多く、行くことがある種のステータスと化しています。アメリカでは、良いものが価格もそれほど高くなく、駐車場の車で判断する限り、来る人の所得層もいろいろなようでした。


イギリスでは、今も王族や貴族がロンドンに加えて田舎の土地も大量に持っていて、上流社会コミュニティを各地に持っています。そして彼らはその土地で農場を経営させています(EUの農業補助金が王族や貴族に流れているという批判もあります)。ロンドン人にとって田舎に家を持つことができるということは憧れです。イギリスでは、辺鄙なところにある豪邸は少なくありません。ロンドンとアメリカのファーマーズマーケット事情の違いには、そのような背景もあるのかもしれません。


次回は、ハードウェア、つまり日本でいうホームセンターについてお伝えします。


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