業界トップを走り続ける丸亀製麺

 丸亀製麺について調査をしました。
 日本では、外食全体の市場規模が25兆円であるのに対して、うどん・そば市場は1兆2千億円程です。そんな市場で、丸亀製麺は2017年に900億超の売上を上げています。売上高と店舗数のどちらをとっても、業界トップです。

 株式会社トリドールホールディングスは、セルフうどんの新業態として、2000年に丸亀製麺をオープンしました。その同時期に、同業のはなまるうどんも業界に参入していましたが、丸亀製麺は13年間で、うどん店として初めて全都道府県に店舗を展開し、業界1位の座を維持し続けています。

 もともと焼き鳥店を経営していたトリドールが新たに丸亀製麺を立ち上げるきっかけとなったのは、社長自らが、うどんの本場讃岐で得た体験です。小さな製麺所に全国から客が押し寄せ、行列ができている。彼らが求めているのは、臨場感と手作りで茹でたての麺を味わうという「体験」そのものなのだ、と気づいたことから、讃岐以外でもこれを実現しようと決意しました。


 丸亀製麺立ち上げ期、うどん・そば市場は寡占化が進んでおらず、ガリバー企業と呼べるものがなかったことも、トリドールが全国に大量出店を目指した理由と言えます。

 丸亀製麺は、「感動体験の提供」を最重要視したため、大量出店にあたって、セントラルキッチンを設けることはしませんでした。製麺機を各店舗に設置し、客の目の前でうどんを作る、人のぬくもりがある店にする、という信念が、他店との差別化につながっています。

 また、セントラルキッチンを持たないことは、物流に関する問題を回避し、広範囲に素早く店舗を展開することも可能にしました。

 20196月の時点で、丸亀製麺の国内店舗数は823店舗です。的確な市場の分析と、消費者の食事体験に付加価値を与える努力が、業界トップの座を守り続けていると感じます。

2019/07/31 原唯奈


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