消費者が宣伝、シェアする時代

 ECについて情報収集をしていたところ、「Unboxing Video」という言葉が目にとまりました。文字通り「開封動画」の意味で、考えてみれば私も携帯電話を購入する際によく視聴していたし、誰もが一度は見たことのある動画だと思います。
 

 Unboxing Videoの投稿を専門にしているYoutuber で、チャンネル登録者数は約1500万人とかなりの数です。箱から商品を取り出して、実際に触れながらそのスペックなどを紹介する動画を投稿していました。

 「Unboxing」という言葉は2016年のピークをめがけてネットでの検索回数が増加しており、Youtubeなどの動画共有サービスの浸透がその理由だと思われます。


 「Unboxing Video」のポイントは、箱の開封から動画が始まることだと考えます。動画の投稿者と共に、商品が届いた喜びやわくわく感を味わうことができ、消費者はオンラインショッピングにより良いイメージを抱くようになるでしょう。
 また、商品紹介をするのが一般人である、ということも重要です。企業目線ではない一消費者の意見は親しみがわきやすいだけでなく、何通りものレビューに触れることを可能にします。
 メリットは消費者に対するものだけにとどまりません。実店舗ではなく、オンラインでの買い物が主流になりつつある今、企業はWebサイトの運営やSNSの活用に力を入れることが必須です。消費者が「Unboxing Video」を投稿すれば、企業は宣伝活動に力を注がずとも、商品を世にアピールすることができます。
 
 動画を作る・見る人が増え、ネットでの買い物が当たり前になった現代に「Unboxing Video」はとてもよく合っていると感じました。
 企業ではなく、消費者が消費者による宣伝をシェアする時代になっています。

 Youtubeの動画となると少しレベルが高く感じますが、Instagramで「#Unboxing」と検索すると、こちらも多くの投稿がありました。


 利用者が多く、気軽に投稿、シェアできるので、Instagramも含めれば今後ますます「Unboxing Video」による宣伝効果は増していくのではないかと思います。

 ただこのビデオ、洋服や生活雑貨などには適していると思いますが、サプリメントなどの長期的な使用が必要な商品を宣伝することは難しいのでは、ということも個人的に感じました。

 時代の変化により、企業の宣伝活動という役割が消費者に移っています。それがシェアされることによって、商品のブランディングを消費者も担うようになっていることが分かりました。

 「Unboxing Video」には、オンラインショッピング、動画、シェア、現代のトレンド3つが反映されています。これからどんな変化、発展があるか注目したいです。

2019/07/13 原唯奈




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