テクノロジーの導入と増加する余暇時間

※この記事は研修生のKariyaが作成しています。


テクノロジーの導入が進む小売業界 
 アメリカ最大規模の小売企業Walmart(ウォルマート)はマイクロソフトと戦略的パートナーシップを結び、エンジニアとともにAI活用プロジェクトを進行しています。
 ウォルマートに導入された最新テクノロジーの一つが「チェックアウト・ウィズ・ミー(Check Out With Me)」というモバイル清算端末です。売り場でチェックアウト・ウィズ・ミー端末を持った従業員に声をかけ、買いたい商品のバーコードをスキャンしてもらい、クレジットカードを渡して読み取ってもらうと、そこで清算が完了する、というものです。あとは店を出て、自分の車に運ぶだけ。レジまで持っていくことが大変な大量のドッグフード・土・業務用洗剤・家電などの重い商品や、ティッシュやトイレットペーパーなどのかさばる商品を購入する際の手間が省け、快適な買い物ができます。お店側としても、レジの行列が緩和できるだけでなく、従業員がチェックアウト・ウィズ・ミー端末さえ持っていれば商品陳列をしながらでも清算をすることが可能になり、労働力の効率的な活用が望めます。レジ打ちのみのための従業員を減らすこともできます。 
 
 カリフォルニア州の最低時給は現在12ドルですが、まだまだ人件費の高騰が続いており、テクノロジーの導入が加速しています。店舗や倉庫業務において、人間の従業員はAIやロボットの導入が完了するまでのつなぎとして雇用している状態にすぎないようです。すでに、自動走行しながら床磨きと掃除をするロボットの導入が360店舗のスーパーで決定しています。また、商品棚の値段や配置をチェックする自動ロボットの導入テストも行われているようです。

カリフォルニア州の余暇時間対策 
 私たちの生活がローマ帝国時代のものに近づいていくという説があります。ローマ時代には、奴隷に労働を任せて大量の余暇時間をもつローマ市民の画策や暴動を防止するために、闘技場や大浴場などの娯楽施設が提供されました。そしてAIやロボットが多くの仕事を担うようになった昨今、勤務時間が短くなり時間を持て余した市民の居場所として、カリフォルニア州では映画館や美術館などの整備が進んでいます。
 また、ショッピングモールや駅などに多くの面積を割いて、時間を潰せる憩いの場を設置しています。ロサンゼルスの代表的な大型ショッピングモールDel Amo Fashion Center(デルアモ・ファッションセンター)では、通路の中洲や休憩コーナーに座り心地の良いソファとグリーンのある場所が用意され、人々がただただ座って時間を潰している様子が多々見られます。低所得者を中心に、週末はショッピングモールに行き、買い物はせずにウインドウショッピングをし、ベンチやソファの周りで長時間過ごす人が増えているようです。

 
 アメリカ最大の老舗大型百貨店Nordstrom(ノードストローム)でも、新たにベンチコーナーを増設中でした。
 
 経済や生活スタイルが世界で最も進んでいるカリフォルニア州で起こっていることは、その後2、3年以内に日本でも起きる可能性が高くなっています。最新の情報を入手するためにも、現地にいることが大切です。


  


 

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