インターン生の日々⑦ <コンサルティングとは何か>

※この記事はインターン生のTomoyaが作成しています。

 トーランスに位置するMCICでのインターンを終え、アメリカから帰国してから、約2ヶ月間が経過しました。日本を出発する前の自分と、現在の自分を比較すると、本を読むことに費やす時間が、圧倒的に長くなっています。より多くの本を読んでいる理由は、このインターンを通じて、NickiさんをはじめとするMCICの皆さまや、その他の企業でご活躍されている方々とお話する機会があり、その際に、自分の知識や考えの浅さを痛感したからです。大学を卒業するまでに、可能な限り多くの本を読んで理解し、その内容について熟考することで、論理的思考力を養うことを目的としています。



 さまざまな本を読んでいますが、最近読んでいる本は、主にマーケティング関連です。もちろん、いくら知識をつけたところで、実際にビジネスで使わなければ、マーケティングのスキルは身に付かないことは承知しております。しかし、読めば読むほど奥深くて面白いので、ついついマーケティングの本ばかり手に取ってしまいます。そのほか、Nickiさんや片上さんにご紹介していただいた本や、MCICのオフィスから無償でゆずっていただいた本も、いくつか読ませていただきました。
 今回は、その中から「コンサルティングとは何か」という本を、皆さまにご紹介したいと思います。



 この本を執筆したのは、知る人ぞ知る戦略コンサル「ドリームインキュベータ」の代表取締役会長である、堀紘一氏です。堀氏は、19年にわたってBCG(ボストンコンサルティンググループ)に勤務し、そのうちの10年以上をBCG日本代表として務めておられた、戦略コンサルティングのプロフェッショナルです。そんな彼が、自身の経験なども交えながら、本物のコンサルティングとは何かを解説しているのです。堀氏はBCGを退社した後、日本のベンチャー企業を育てたいという想いから、日本発の戦略コンサルティングファームであるドリームインキュベータを創業したのですが、日本における「コンサルティング」という言葉への誤った認識に危機感を覚え、この本の執筆を決めたそうです。

 私はこの本をひと通り読んで、にわかながらも、「戦略コンサルティングとは何か」「なぜ企業はコンサルタントを活用するべきなのか」「コンサルティングの世界がいかに厳しいか」ということを学べたように思います。読みすすめる中で1番心に響いた言葉は、以下の文章です。

「コンサルティングの仕事の本質とは、何が問題かを突き止め、その答えを考えるということ。つまり、知っていることを教えるのではなく、考えることこそがこの仕事の価値なのである。」  
出典元: 「コンサルティングとは何か」(著者: 堀紘一) 

日本の教育では、基本的に1つの問題につき答えが1つで、生徒にその答えを出させることやその答えを暗記させることが多いように思います。さらに言えば、「なぜ答えがそうなるのか」を考える機会が少ないです。そういった教育の影響か、日本の経営者たちは、コンサルタントに「答え」を求めてくることが多いと、堀氏は語ります。しかし、企業はコンサルティング会社に対して、決して安くはないお金を払っているわけであって、それと引き換えに提供するのが知識だけというのは、コンサルタントとして邪道である、というのが彼の見解です。

 私はこの本に出会うまで、コンサルティングの仕事を全く理解できていなかったのだと実感しました。コンサルタントは、自分がもつ知識やノウハウを企業に提供し、その企業が抱える問題を共に解決する仕事だと決めつけていました。そして、コンサルタントに最も必要なものは「豊富な経験と知識」だと思っていました。もちろん、それらはコンサルタントにとって必須であることは間違いありません。しかし、より大切なのは、もっている経験や知識をどう使うかです。私が愛してやまない、アルフレッド・アドラー(1870‐1937)はこのような名言を残しています。

大切なのは何が与えられているかではなく、与えられたものをどう使うかである。 
出典元:「嫌われる勇気」(著者: 岸見一郎, 古賀史健) 

 問題を抱えて困っている企業に対し、自分の知っていて相手が知らないことを提供するだけでは、コンサルティングとしては不十分です。もっている知識やノウハウを使うことで、まずは問題が何かということを徹底的に分析し、知っている答えを「教える」のではなく、その企業にとって最適な答えが何かを共に「考える」ということが、コンサルティングという仕事なのだと思いました。

 今回の記事では、堀紘一氏の著書を紹介したうえで、コンサルティングとは何かについて述べさせていただきました。1番最初にも書いたように、私にはまだ知識も考える力もありません。特に、上記でさんざん必要であると述べた「考える力」はかなり不足しています。しかし、MCICのインターン生として業務を経験させていただくことで、そういったコンサルタントに必要な、ビジネスの知識や論理的思考力を身に付けるための環境は整っていると感じます。まだまだ未熟ではありますが、少しでも早く成長できるよう、邁進してまいりたいと思います。

園杭智也

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