インターン生の日々⑥ <外国人が思う奇妙な日本人の働き方>

※この記事はインターン生のTomoyaが作成しています。



 つい最近、大学のビジネスの授業で、日本人の労働に関する文化や考え方について論議する時間がありました。その際に、アメリカ人の先生から尋ねられて、日本人生徒みんなが固まってしまった質問があります。

「なぜ、日本人はお金をもらえないのに残業をするんだい?」

 厚生労働省の統計(平成28年度)によると、日本人の1か月当たりの平均残業時間は14時間となっているそうですが、この統計にはサービス残業は含まれていないので、実質40時間以上は残業を行っているのではないでしょうか(月間40時間の場合、1日の平均残業時間は約2時間)。もちろん企業によっては残業の実態は変わってきますし、最近は働き方改革などのおかげか、一部の企業には労働時間を見直し始めている風潮もあるかもしれません。しかし、日本人にとって残業をするのは当然のことで、現に私も、残業に関して疑問をもったことは一度もありませんでした。

 その先生いわく、「残業をするとしても、労働者は時間と労力を提供しているのだから、それに見合う対価が支払われるのは当然」。「第一、日本では労働基準法でサービス残業は禁じられているのに、なぜ労働者は黙って上の命令に従い続けるのかがわからない」、というのが彼の見解です。アメリカでは厚生労働基準法で、週40時間以上の仕事に対しては、通常の時給の1.5倍の残業代が支払われるらしく(管理職や専門職を除く)、残業代の出ないサービス残業が当たり前になっている日本の労働環境を、かなり奇妙に感じているようでした。
 もう一つ、彼が不思議がっているのが、世界の国々と比べてあまりにも低い日本人の有給休暇消化率です(わかりやすい記事があったので、是非ご覧ください)。厚生労働省の調査(平成28年度)によると、日本人は年間に与えられる20日の有給休暇のうち、平均9日間しか消化できていないそうです。

 彼は日本に長く住んでおり、日本で会社を運営していたこともあるそうなのですが、その時に、彼は二つのルールを設けたそうです。

①残業は極力しないこと。するのは勝手だが、残業代を払うので報告すること。
②有給休暇は20日間すべて消化すること。

 結果は、彼を満足させるものではなかったようです。サービス残業はほぼなくなったものの、残業そのものはあまり減りませんでしたし、有給休暇の申請をきちんと20日分提出したはずの従業員が、有休の日に出勤してきたので、理由を尋ねると「少し残っている仕事を片付けたくて。大丈夫です、すぐ帰りますから。」と言いつつ、結局午前9時から夕方5時まで仕事をして帰ったそうです。

 このように、日本人の働き方を見て奇妙に思ったり、混乱する外国人はかなり多いと思いますし(もちろん逆の場合もあります)、全く異なった文化や考えをもった外国人を相手にビジネスをするときは、こういった苦労はどうしても生じるものかと思います。今日のグローバルビジネスにおいて、外国人の従業員やクライアントとの摩擦や衝突を避けるためにも、異文化理解力というものの重要性を改めて感じました。

園杭智也

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